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日本ピーマック株式会社

プロジェクトストーリー

Vol.8ホテル
ドリームゲート舞浜

一人ひとりの体感温度が異なるファミリー層に、個別空調は必須。
室内温度に関するコンプレインをゼロに

ホテル名 ホテルドリームゲート舞浜
住所 千葉県浦安市舞浜26-5
開業年 2004年2月
客室 本館80、アネックス80

新設したアネックス館に
グレードを合わせるべく
「PAFMAC」で空調性能を
向上

 JR東日本グループの日本ホテル(株) が展開するホテルドリームゲート舞浜。東京ディズニーリゾートの最寄り駅であるJR京葉線「舞浜」駅の東西に隣接する2棟建て160室規模のホテルだ。同駅南口の改札を出て左手に本館、右手にアネックス館が建っている。東京ディズニーリゾートへは徒歩約5分。客室はナチュラルなトーンをベースにしたモダンな雰囲気で客室面積も24~36㎡とゆったりしたスペースを確保。独立型バスルームを設けるなど快適な滞在を提供している。さらにコインランドリーや宿泊者専用の無料コインロッカーなどを付帯し顧客目線のサービスが魅力のホテルとなっている。
 ホテルドリームゲート舞浜本館がオープンしたのは2004年2月29日。客室数は80室でこのうち常設ベッド3台を置く3~4人で利用できるトリプルルームを68室備え、利用客の9割以上をファミリーやグループが占めているという。一方、アネックスは2017年12月18日に開業。こちらは収容人数2~3人の客室を主体にした客室構成となっている。
 こうしたホテルドリームゲート舞浜では昨年3月、本館の全80室に日本ピーマックの「PAFMAC」を導入したという。その理由について同ホテルの小林 亮太支配人は次のように話す。

 「本館は14年前にオープンしており、途中で一度リニューアルはしているものの、2017年にアネックスができて見劣りしていました。そこで2018年1月9日~3月19日の期間、本館を全館休業して改修工事を行なったのです。客室、廊下、ロビーの表装を一新し、さらに空調設備もPAFMACを導入して個別空調を可能にしました。アネックスがEHP(電気モータヒートポンプ)を導入して個別空調が可能なのに対し、本館は二管式冷暖房システムで、全館一斉に冷暖房を切り替える方式。季節の端境期の空調に関するクレームがたびたび生じていました。そこで、アネックスとグレードを同等にするには空調のクオリティーアップも必須と考えました」。
 二管式冷暖房システムとは、ボイラー室などの機械室でつくった温水や冷水を館内に張り巡らせた配管を通して客室に運び、室内に設置したファンコイルを介して温風や冷風に変えて室内に冷気や暖気を送る空調システム。配管に冷水が流れているときは冷房、温水が流れているときは暖房が可能となる。このファンコイルという空調ユニットに、冷水でも暖房を、温水でも冷房を可能にするヒートポンプを内臓したのがPAFMACなのだ。
 同ホテルは駅に隣接した利便性とリーズナブルな価格、さらに高架下にも関わらず静かな環境が好評を博してリピーターも多いという。それだけに空調性能の差で余計なコンプレインが出てくるのは避けたいとの思いもあったそうだ。
 「二管式冷暖房システムを入れ替えることなく、個別空調化を図るにはPAFMACの一択でした。グループのホテルメトロポリタンエドモントでも導入実績があったので機械に対する信頼感もありました。ただPAFMACの導入工事のためだけに天井を落としてクロスを張り直すのはコスト的にも見合わないので、改装のタイミングに合わせて導入すればと考え、その時期を見計らっていました」。

空調コンプレインは皆無に
さらに省エネにも一役

 小林氏は「PAFMAC」導入によってさまざまなメリットが生じたと語る。
 「PAFMAC導入前は館内の空調を暖房か冷房しか設定できないので、端境期のコンプレインに対しては空調を切ってください、窓を開けてくださいとお伝えするしかありませんでした。それが導入後は室内温度に関するコンプレインがまったくなくなりました。自宅にいるようですごく快適だったという声も聞かれるようになったほどです。
 大人と子どもの体感温度が違うこともあり、特にファミリー客が多い本館に個別空調は欠かせませんね。コンプレイン対策に用意していた扇風機や電気ヒーターも、今では出番がなく倉庫に眠っています。空調関係のコンプレインは、われわれにはどうにもできないクレームです。PAFMAC導入後はスタッフも空調に関してストレスフリーになりましたね」。
 同ホテルでは宿泊客の大半がパーク利用客なので、閉園後にチェックインが集中する。以前は、そのタイミングで客室が暑い、寒いというコンプレインが寄せられてスタッフが対応に追われるという状況だったそうだ。「PAFMAC」は宿泊客が自分の好みに合わせて客室温度を自由に設定できるので、室内のファンの強弱しか調整できない二管式冷暖房システムに比べて格段に性能が向上。導入後はもっとも多忙な時間に空調のコンプレインに翻弄されることなく接客に集中できるようになったそうだ。
 また、省エネルギーの観点からも「PAFMAC」が寄与しているという。
「当ホテルには冷温水発生機が2台あるのですが、PAFMACの導入により1台だけの運転でまかなえる期間が長くなり、ガス代を節約できました。以前の端境期は客室が暖房でレストランが冷房という時期もあり2台を動かしてしまいましたが、今年は客室はPAFMACに任せ、レストラン系のために1台だけの運転に変更したところガス代だけでなく電気代も下げることができました。特にガス代は昨年比でマイナス10%程度落とすことができており、空調施設のランニングコスト低減という面でもPAFMACの導入が大きく貢献しています」。
 技術的にいうと「PAFMAC」にはコンプレッサーが内蔵されているので、二管式の管内を冷水が流れていようと、温水が流れていようと、冷暖房ができる。そのため真夏や真冬の極端な気候のとき以外は、冷温水の温度をそこまで上げ下げしなくても客室内の冷暖房が可能であり、一年を通して見れば省エネにつながっていくという仕組みだ。
 ホテルドリームゲート舞浜の客室環境のバリューアップによる顧客満足度向上とリピーター獲得、さらには経費削減の一端を担っているのが「PAFMAC」の存在と言えよう。

週刊ホテルレストラン 2019年11月1日号掲載

ホテルドリームゲート舞浜
支配人 小林 亮太氏

ヒートポンプ付FCU PAFMAC

ファンコイルに小型ヒートポンプを組み込んだユニットを冷温水2管式回路に分散配置した個別空調システムです。