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日本ピーマック株式会社

プロジェクトストーリー

Vol.9プリンス バケーション
クラブ軽井沢浅間

夏季限定営業から通年営業への大規模リニューアル。
求められる通年冷暖房フリーに“PAFMAC”で応える

ホテル名 軽井沢 浅間プリンスホテル
住所 長野県北佐久郡軽井沢町大字発地南軽井沢
開業年 1997年7月
プリンス バケーション クラブ ヴィラ 軽井沢浅間 2019年7月
プリンス バケーション クラブ 軽井沢浅間 2019年7月
客室 30室
プリンス バケーション クラブ ヴィラ 軽井沢浅間 15棟
プリンス バケーション クラブ 軽井沢浅間 48室

プリンスホテル初の
会員制リゾートホテル
「プリンス バケーション
クラブ」誕生

 日本有数のリゾート地として根強い人気を誇る軽井沢。プリンスホテルは、北陸新幹線「軽井沢」駅の南側エリアを中心にホテル、ゴルフ場、スキー場、結婚式場などの施設を擁し、総合型リゾートエリア「プリンスグランドリゾート軽井沢」を展開している。2012 年からは、総合型リゾートとして観光や長期滞在、MICE など多様な目的での利用を促進するため、順次ゾーニングを明確化するバリューアップを実施。各施設の機能を強化することにより“The First Choice Destination in Japan”=「世界から選ばれるプリンスグランドリゾート軽井沢」を目指して進化を続けているのだ。
 軽井沢 浅間プリンスホテルは、このエリアのゴルフ場に隣接する隠れ家的リゾートホテルとして 1997 年に営業を開始。浅間山を正面に望むロケーションとゴルフ場までのアクセスのよさ、緑に囲まれた高原リゾートらしい清々しさから、ゴルフ場利用客を中心に多くの顧客を持っている。
 そして今夏、7月8日にはホテル内にプリンスホテル初の会員制リゾートホテルとなる、プリンス バケーション クラブ ヴィラ軽井沢浅間(以下PVCヴィラ軽井沢浅間)とプリンス バケーション クラブ 軽井沢浅間(以下PVC軽井沢浅間)もオープン。新たな歴史を歩みだした。

通年型リゾートホテルに
ふさわしい空調性能を求めて

 同ホテルではPVC軽井沢浅間の開業に先駆けて、昨年11月から今年4月まで大規模な施設改修を実施。PVC軽井沢浅間の客室は空調も見直し、冷暖房フリーも実現したという。この取り組みについて軽井沢 浅間プリンスホテルおよび、PVCヴィラ軽井沢浅間・PVC軽井沢浅間の支配人を兼務する櫛田 浩司氏は次のように話す。
 「プリンスホテルでは今年7月、軽井沢 浅間プリンスホテル内にPVCを開業しました。それに伴って昨年までは4月〜11月の夏季限定営業だったホテルが、今年からは全館通年営業になることもあり、レストランや客室の大規模なリニューアルを実施したのです。
 PVCの客室は、軽井沢 浅間プリンスホテルの3フロア48室と、新築したヴィラ棟15室という構成になっています。ヴィラ棟は建築時に個別の冷暖房を設置しましたが、既存客室を会員制ホテル向けにリニューアルする取り組みでは、空調の冷暖房フリー化が検討課題に挙がりました。
 現在、新規開業するホテルは四管式冷暖房システムが主流ですが、このホテルの開業した1997年ごろは二管式冷暖房システムが一般的でした。当ホテルでは暖房から冷房に切り替えるのは6月ごろで最低気温が15度を上回ったら。冷房から暖房に切り替えるのは20度を超えなくなってくる10月ごろですね。二管式なので端境期にあたる冷暖房の切り替え時期の空調が難しく、とくに梅雨時などは暑いと感じる方もいれば、寒いと感じる方もいらっしゃいます。また、秋口も同様です。この時期は二管式冷暖房システムの宿命で、『毛布を持ってきてください』や『ヒーターを持ってきてください』というリクエストが生じていました。そこで、1年を通じて会員さまの滞在が多くなるPVC軽井沢浅間では、全室に二管式冷暖房システムでも冷暖房フリー化できる、PAFMACを導入したのです」。
 二管式冷暖房システムとは、ボイラー室などの機械室でつくった温水や冷水を館内の配管を通して客室に運び、ファンコイルを介して温風や冷風に変える空調システム。配管に冷水が流れているときは冷房、温水が流れているときは暖房が可能となる。従来、通年で冷暖房フリーにするためには、常時冷水と温水が流れる四管式冷暖房を導入するしか方法がなかった。
 こうしたそれまでの常識を打ち破った商品が、日本ピーマックが提供する「PAFMAC」なのだ。「PAFMAC」は客室内に設置するファンコイルという空調ユニットに冷水でも暖房を、温水でも冷房を可能にするヒートポンプを内蔵しており、既存の二管式冷暖房システムを生かしながら冷暖房フリー化できる。実際の取り付け工事は、既存のファンコイルユニットを取り外し「PAFMAC」と交換するだけで大がかりな作業は必要なく、騒音もほとんど出ないのが特徴だ。
 プリンスホテルグループでは、大磯プリンスホテルへPAFMACの導入実績もあり、その効果は周知していたという。

省エネ対策にも貢献

 「PVC軽井沢浅間とヴィラ軽井沢浅間をグランドオープンしてから、これまで空調に関するコンプレインはまったく出ていません。今年の7月は天候が不順で、冷房が必要な暑い日もあれば、暖房が欲しくなるような寒い日もありましたが、PAFMACを導入したPVC軽井沢浅間では個々の客室で対応できたのでお客さまからの空調に関する要望はなく、スムーズにオペレーションできました」と、櫛田氏はPAFMAC導入のメリットを話す。
 「スタッフの労務が軽減されるので、別の業務に当たることができるようになったのもメリットですね。PAFMAC導入前は、客室係は空調に対するリクエストがありそうな日にある程度の時間、待機していなければなりませんでした。また、客室係が退社後はフロントスタッフが対応するので、客室に毛布や扇風機を持っていく間にフロントに人が少なくなってしまうこともありました。PAFMAC導入後はそのようなこともなくなり接遇に注力できるようになりました。その分を別の部屋のインスペクションに当てることもできるのでより快適で気持ちよい客室を速やかに提供できます」。
 このほか、省エネルギー対策としてもPAFMACは見逃せない。現在、同ホテルはPVCが3フロア、パブリックが2フロアという構成。PAFMACで使う部屋だけ冷暖房することで省エネルギー化を図っている。
プリンスホテルでは、西武グループのグループビジョンの一つである「常に、自然環境、地球環境への配慮を忘れません」という宣言に基づき、持続的な成長に向けて環境保全に努めるとともに、循環型社会実現に寄与する各種取り組みを進めている。環境に配慮した空調設備を導入することも、そうした取り組みの一つである。
 軽井沢の地で、暮らすように過ごす贅沢なひととき。会員制リゾートホテルの快適な滞在と環境保全にPAFMACが一役かっているのだ。

週刊ホテルレストラン 2019年11月15日号掲載

軽井沢 浅間プリンスホテル
プリンス バケーション クラブ ヴィラ 軽井沢浅間
プリンス バケーション クラブ 軽井沢浅間
支配人 櫛田 浩司氏

ヒートポンプ付FCU PAFMAC

ファンコイルに小型ヒートポンプを組み込んだユニットを冷温水2管式回路に分散配置した個別空調システムです。